戦い方の探索者

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仮道伐虢(かどうばっかく)

 

仮道伐虢(カドウバッカク)

=「道を仮(カ)りて虢(カク)を伐(ウ)つ」

 

●計の説明
昔、シン(晋)という大国があり、そのとなりにグ(虞)とカク(虢)という小国があった。
シンは、グに道を借りて(協力してもらって)カクを攻撃して滅ぼした。
その後、シンは孤立したグを滅ぼした。

 

つまり、2つの小国を滅ぼしたいシンにとっては、その2国が手を組んで抵抗すると面倒なので、まず片方の国に近づいてもう一方の国を滅ぼすようにしむけた。
片方の国が無くなれば、残った国を滅ぼすことはかなり楽になる。
(つまり、各個撃破するための計)

 

兵法三十六計の一つとなっている。

 

仮道伐虢に関する計は、三国志演義中に2例あります。

 

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〇事例1 道を仮りて虢(カク)を滅ぼす (ニ巻 550ページ)

 

●計を立てた人

周瑜

 

●計の対象

劉備

 

 

周瑜劉備さん、劉備さん、あなたの近くの国を攻めて、その領地を劉備さんに差し上げようと思う。

つきましては、軍勢が劉備さんのとこを通行する(道をかりる)さい、銭や食糧を給付してほしいでーす!
(ヒヒヒ…銭や食糧を給付するために出てきたところを殺し、領地を奪い取ってやる!)」

 

諸葛亮「そんなんバレバレ。来たことろを四方から攻めたれ」

 

周瑜「ウヒーッ!やられた!!おのれ諸葛亮!(怒って落馬)」

 

諸葛亮周瑜戻っていった?ほな、アンタの計はムリやいう手紙出したろ」

 

周瑜「えっ、諸葛亮からお手紙!?ふむふむ…ウギーッ!おのれ諸葛亮!!(天を恨んで死亡)」

 


この周瑜の計は、「道をかりるだけです」と偽って、目的を達成しようとする計。
つまり、各個撃破が目的ではなく、「道をかりる」ことに焦点をあてている。

 

 

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〇事例2 虢(カク)を滅ぼして虞(グ)を取る (四巻 538ページ)


●計を立てた人

司馬昭

 

●計の対象

蜀、呉

 

司馬昭「蜀の劉禅は酒と女におぼれてる。

そして、宦官を寵愛してしまい、臣下とうまくいっていない。
つまり、内側から壊れかかっている。


それに対して、われわれは軍の準備が充実した。
蜀を討つべき絶好の機会である。
そして、蜀を討ったら、そのあとで水路と陸路の両方から呉を討とうと思う」

 

結果、行動を起こして蜀を討つことに成功した。
その後、時間はかかったが、呉も討つことに成功する。

 

この計は、「道をかりる」ことに焦点をあてていない。(実際、「みちをかりて」という表現はなし)
まずは蜀、次に呉という順で各個撃破していこう、という方針を示す。