戦い方の探索者

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反間計 その2

 

●計の説明
敵に仲間割れを起こさせる。
(敵のスパイを利用する計、という解釈もある)


●計を立てた人
顧雍(コヨウ)

 

●計の対象
曹操劉備

 


孫権劉備を討ちたいんじゃ」

 

部下「現在、曹操孫権様を攻めないでいるのは、孫権様と劉備が手を組んでいるからですよ。
劉備を討つことはやめなされ」

 

顧雍「もし孫権様と劉備が仲たがいをすれば、曹操劉備と手を組もうとし、劉備も応じると思います。
そうなれば孫権様が孤立してヤバい。
なので、まずは劉備孫権様を恨まないようにすることです。そのためには、劉備の立場を立てることです。
(現在劉備が占領している土地を、孫権は攻め取りたいと思っている。
しかし、あえて劉備がその土地の公式な領主になるよう皇帝へ推薦する。
そうすることで、孫権曹操の領地の間に劉備の領地を公式に生じさせ、曹操をけん制する)
そのあとで、曹操劉備が仲たがいして戦うようにしむけて、そのときに隙をついて劉備を攻めるべきでしょう」

 

孫権「そりゃもっともだ」

 

こうして曹操(の下にいる皇帝)へ使者を送るが、曹操側はその意図を見抜いた。
そこで、逆に、劉備が占領している土地を皇帝の名において公式に孫権配下の周瑜たちに与え、周瑜たちが劉備を攻めるようにしむけた。

 

周瑜「やったるで!劉備を殺すんや!」→前々回の仮道伐虢

 

 


曹操をけん制する計だが、その実現には「曹操が思うままに操作している皇帝の権威」を、曹操にとって面白くない方向へ誘導する必要がある。
つまり、計が成功するには、曹操自身に自滅させる選択をとらせる必要があった。
結局それはできず、逆用される。

 

曹操が暗愚であれば成功したかもしれないが…

ちょっと曹操とその幕僚の知性を低く見積もりすぎたんじゃなかろうか。