戦い方の探索者

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駆虎呑狼の計 (くこどんろう)

 

●計の説明
虎を駆りたてて狼をやっつける(虎が狼をやっつけるようにしむける)。

 

●計を立てた人
荀彧(ジュンイク)

 

●計の対象
袁術、劉備、呂布

 


荀 彧「二虎競食の計は失敗です!再チャレンジさせてください!」
曹操「ほい」

 

荀彧「まず、袁術に『劉備が袁術を攻めたいと皇帝に提案してきたぞ』と知らせます。
そうすれば、袁術は怒って劉備を攻めるでしょう」
曹操「ふむ」
荀彧「次に、劉備に『皇帝の名において袁術を討て』と命令します。
そうして袁術と劉備が戦っているうちに、呂布は必ず劉備を裏切るでしょう」
曹操「ではやってみよう!」

 

袁術「おのれ劉備、この袁術をなめおって!攻めかかれ!」

劉備「あー、曹操の計略…だろうけど皇帝の命令だから受けざるをえなぃ…出兵しょ」

 

劉備が出兵した留守を守る張飛。
酒に酔って部下に暴行。

部下「くそ…許せん、呂布に城を奪い取るよう提案してやる!」

 

呂布「なあ陳宮、劉備の城を奪えという手紙がきたけどどうする?」
陳宮「またとないチャンスです。奪いましょう!」

こうして呂布は劉備の城を奪った。

 



曹操たちが皇帝の権威を利用して事を思い通りにしようとしたぜ、の続編。
計の通りに進んだとはいえ、最終的に計を成功させる決定的な要因になったのは、張飛のポカという劉備側の失敗。
とはいえ、その偶然を発生させる環境を生んだ、という点で評価に値する計。(しかも曹操側はノーリスク)

 

その他の注目点

・劉備に対しては皇帝の命令でもって「袁術を攻めろ」と言い、袁術に対しては「格下の劉備があんたを攻めたいらしいぞ」と言い、マジメな劉備と傲慢な袁術の性質をうまく利用している。

 

・袁術をまきこむことで、劉備が計を見抜いても劉備一人では計を無効化できないようにしている。
(仮に劉備が計を見抜いて出兵しなかったとしても、袁術が計にかかって劉備を攻めた場合は、劉備が城を出て戦う可能性がある。そうなると、呂布が裏切るきっかけは生まれる。
袁術の攻撃が裏目に出て、劉備と呂布が力を合わせて袁術に対抗するようになっても、それはそれで群雄の潰しあいになるので、曹操にとっては利することになると考えられる)

 

 

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