戦い方の探索者

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反客為主(はんかくいしゅ)

 

●計の説明
客を反(かえ)して主と為(な)す。
主客転倒する計。

 

兵法三十六計の一つ。

 

●計を立てた人
法正

 

●計の対象
夏侯淵

 


黄忠(コウチュウ)が、山の砦を守る夏侯淵と対峙していた。


ある時、夏侯淵の部下が黄忠の副将の陣に攻めかかってきたさい、黄忠の副将が敵の偽装退却に引っかかって捕虜になってしまった。


黄忠「まいったぞ、どうしよう」

法正「夏侯淵は武勇だよりで知恵に乏しく、軽率で落ち着きがありません。
その性質を利用して誘い出して捕らえましょう。

われわれは、兵士の士気を高めて陣地を少しずつ前進させていくのです。
そうすれば、夏侯淵は出撃してくるでしょう
(※初めはこちらが客として相手の下へ行き、その後、相手が客として来るようにする、ということだと考えられます)」

黄忠「な~るほど、そうしよう!」

 

黄忠は陣地を少しずつ前進させた。

 

夏侯淵「なんか前進してきたって?!よし、出撃するぞ!!」

張郃(チョウコウ)「おまちください!これは反客為主の計です!出撃はダメ、絶対!」

夏侯淵「いや、出撃するよ!わが副将よ、行ってこい!!」

 

出撃した副将は黄忠に捕らえられた。
その直後、夏侯淵は互いの副将の交換を申し出た。

 



敵将(夏侯淵)の性質を適切に利用した計。
また、計であることを見抜く人がいても、トップがその意見を採用できないと意味がない、というお話。
やっぱり組織はトップ次第。