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【書評】 奈良の小さな会社が表参道ヒルズに店を出すまでの道のり。 (中川 淳)

 

伝統工芸メーカーがどのようにブランドを構築していったか、というお話。

 

印象に残ったところ私なりにまとめると…

 

著者によるブランドの定義は、「他社と差別化され、一定の方向性をもったイメージにより会社にプラスをもたらすもの」。
ブランドを作るには、自社の強みを知り、市場を知り、コンセプトを形作り、それをメンバーで共有する必要がある。

 

他社と差別化するには、同業界での情報格差は過去より小さくなったので、得られる情報からロジカルに考えるだけでは大差ない。
ロジカルに出した結論からさらに一歩、飛躍しなければならない。
この飛躍は、クリエイティビティに基づくデザインによってなされる。
(この飛躍には、会社のブランドの方向との整合性が重要である(ブランドに沿わない飛躍はブランドを損なう))

 

伝統工芸メーカーが自社のブランドを市場に正しく伝えていくには、直営店の展開がよい。(著者は実際にそのように行動)
顧客との接点(インテリア、販売員、買い物袋、等々)が多くなり、店や売り場という立体的な形で世界観と価値観をみせることができる。
(この方法は、ブランドのコンセプトを文章やイメージを使って説明することや、商品サンプルをみてもらうことよりはるかに優れている)

 

また、「商品が売れるかどうかは流通と価格で決まるのに、その主導権が自分たちにはない」のは大問題である。
なので、メーカーは直営店をもつことで、その主導権を獲得できる。

 

…という感じでしょうか。


差別化をする際の「飛躍」について、もっとつっこんだことが知りたかったなあ、とは思ったものの、
伝統工芸メーカーがブランドを築いてきた過程とノウハウが丁寧に記されているので、ブランド構築に興味があるなら読んで損はないでしょう。

 

奈良の小さな会社が表参道ヒルズに店を出すまでの道のり

奈良の小さな会社が表参道ヒルズに店を出すまでの道のり