●計の説明
敵に仲間割れを起こさせる。
(敵のスパイを利用する計、という解釈もある)
●計を立てた人
司馬望(シバボウ)
●計の対象
姜維(キョウイ)
鄧艾(トウガイ)、司馬望「くそぅ、姜維に大敗を喫してしまった。どうやって蜀軍を撃退しようか」
司馬望「なんでも、蜀の劉禅は宦官の黄皓(コウコウ)を寵愛して酒色におぼれているそうですね。
この乱れを利用して、姜維を蜀の地へ戻すようにしむけましょう!」
鄧艾「イイネ!」
鄧艾は部下に財宝をもって蜀へ行かせ、黄皓に取り入らせた。
そして、黄皓の協力を得て、「姜維が寝返る」という噂を流した。
黄皓「劉禅様~!姜維が劉禅様を恨んでおり、じきに魏に降伏するだろうという噂が立っております!」
劉禅「マジ?!えらいこっちゃ!姜維には戻ってきてもらえ!!」
黄皓「はいな~」
姜維「え?!戻れって?カーッ、やむをえん、退こう」
鄧艾、司馬望「ヤッター!」
●
後方(にして中枢)で権力を持つ金銭欲の強い人間を狙い、その欲につけこんでニセ情報を拡散させ、思い通りにした計。
現在でも、出所不明の情報をまるっと信じ込んだり、あるいは、大勢の人々や親密な人がそう言っているからその情報は本当なんだろうと信じ込む人はいるし、また、司馬望や黄皓のようにそういった「信じ込む人」を利用する人がいるので、ニセ情報を信じ込んだ劉禅を笑うことは難しい。
まあ、情報技術が発達して普及したからといって、人間の情報リテラシーが相応に向上するわけではないですよね。
私もゆめゆめ気をつけないと。