戦い方の探索者

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「穴を掘って虎を待つ」計略

 

●計の説明
呂布を殺すために準備を整えて時機を待つ計画を、虎を捕らえるために穴を掘って準備することに例えた。

 

●計を立てた人
曹操

 

●計の対象
呂布

 


劉備は、呂布に追われて曹操の下へ身を寄せた。


曹操袁術を討つために、劉備呂布と手を組んで戦った。
しかし、袁術を討つ前に、自分の領地に危機がせまったので帰ることにした。

 

曹操呂布殿、劉備殿、互いに仲良くして助け合うように」
呂布「おう」
劉備「はい」

 

曹操(こっそりと)「劉備殿、呂布はいずれ殺す。
なので、君には呂布の近くにいてもらう。
呂布の配下になっている陳珪(チンケイ)親子とよく相談して事を進めるように」
(穴を掘って虎を待つ)
劉備「わかりました」

 

後日、曹操呂布を討つべく、劉備へ兵をあげるよう手紙を出した。
その手紙を受けた劉備曹操へ返信するが、その手紙を呂布側に奪われ、呂布を殺そうとしていることがバレる。
曹操呂布を討つ軍を出したが、その先鋒と劉備軍は呂布軍に敗れる。


曹操劉備が反撃し、陳珪親子がそれに呼応、呂布が敗れる。
さらに後、城にたてこもった呂布曹操によって殺された。

 

 


呂布討伐でもっとも決定的な働きをしたのは、陳珪親子。
まずは呂布に信頼されるように動いておき、そして、いざというときに呂布軍の連携を無茶苦茶にして勝機を作った。
呂布の参謀である陳宮は、陳珪親子に警戒するべしと呂布に進言したが受け入れられず、この結果となった。

 

ちなみに、呂布はその後も陳宮の効果的な進言を退け、自らが滅ぼされる道をたどる。
進言された策を採用するかはトップ次第なので、やはりトップには賢さか、あるいは自身が賢いと認めた人間への従順さや度量が必要になると思う次第。
(まあ、どんなに賢くても不確実なものへの対処である以上失敗は起こるし、その失敗が思わぬ形で致命的になることもあるとは思うので、結局は「ましになる程度」でしょうが)