戦い方の探索者

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掎角の勢(キカクのセイ) その4

 

●計の説明
軍勢を二手に分けて、連携して敵にあたること。

 

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事例8 (四巻 472)

 

●計を立てた人
諸葛誕(と呉軍)

 

●計の対象
司馬昭

 


諸葛誕「呉の軍勢と組んで、司馬昭に対して反乱をおこすぞ~」

 

諸葛誕「ウォイ、初戦で敗退したぞ~…城にこもろ」

 

鍾会(ショウカイ)「司馬昭さま、敵は城の中の諸葛誕、城の外の呉軍と、掎角の勢をなしています。
こちらがやたらと城を攻めて死に物狂いで守られ、そこを呉軍にはさみ撃ちにされるとちょっとキツ目です。
まずは城をびっちり包囲してください。そして、攻めることをやめてください」
司馬昭「ホイホイ」

 

鍾会「あと、城の4つの門のうち、3つを攻めてください。
残りの1つの門は封鎖せず、敵が逃げ出せるようにしてください。
その門から逃げ出した諸葛誕軍を追撃し、また、遠征軍であり食糧に不安のある呉軍を背後から襲撃すれば、勝てるでしょう」
司馬昭「ホイホイ」

 

呉軍「お、1つの門が封鎖されていない…味方の一部を入城させよう!
…よしよし、成功したぞ!
よし、城内と呼応するぞ!
司馬昭に攻めかかれ!」
司馬昭「入城したの見えてたよ。呼応するのバレバレ。待ち伏せたろ」

 

呉軍「ぐわーっ、待ち伏せてるとは…やられた…
くそっ、トライすれども、ぜんぜん城に近寄れない…」


孫綝(ソンリンorソンチン、呉のトップ)「あー、あー、遠征してるみんな、私の命令覚えてる?『勝つまで帰ってくんな』」
呉軍A「魏軍ツヨイ 勝テナイ オレタチ 呉ニ モドレナイ」
呉軍B「進退窮まってマジ無理。司馬昭に投降しょ」

 

司馬昭に投降した呉軍「おーい、城にこもっているみんな~、孫綝は統治者としてキツ過ぎるから、呉に戻るより魏に降伏したほうがいいよ~」

諸葛誕「あ…城内の兵がどんどん司馬昭に降伏していく…」

 

鍾会「今こそ城攻めを!」
司馬昭「ホイホイ」

 

城は落ち、諸葛誕は戦死した。

 

 


掎角の勢は、司馬昭の対処(諸葛誕と呉軍の連携を読んで伏兵を置いた)によってうまく効果を発揮できなかった。


結果的に、鍾会が当初計画した計とは異なる展開になった。

とはいえ、鍾会による「門を1つ封鎖しない」という行動が呉軍を動かし、次の新たな展開を呼びこんだ。
そして、その新たな展開に司馬昭はうまく対応した。

 

 

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事例9 (二巻 267 (見落としていたので追記))

 

●計を立てた人
諸葛亮孔明

 

●計の対象

曹操

 

 

曹操荊州という地方を攻略。

そこにいた劉備は勝てないので逃げ、劉琦(リュウキ)の軍と合流することに成功した。

 

諸葛亮曹操に対抗するために、劉備様と劉琦様は別々の都市を守って掎角の勢をとってください」

劉備劉琦「OK牧場!」

 

 

曹操は、逃げ去った劉備が呉と組むと面倒だと考え、呉の孫権に「劉備を一緒に討伐しよう」と声をかけた。

つまり、直接劉備たちを攻めることはなく、まず外交交渉を試みたので、この掎角の勢の効果は不明。