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十面埋伏の計 (二巻 28)
●計の説明
十隊の伏兵を配する計。
※ちなみに、この計が出てくる第三十一回の話の注に、楚と漢が戦ったさい、韓信が山の前に陣をしいて十面埋伏の計で項羽を破った、との記述があります。
●計を立てた人
程昱
●計の対象
袁紹
官渡の戦いのあと、曹操は袁紹の領地に攻め込み、再び袁紹軍とぶつかった。
程昱「われわれの軍を大河の岸まで下がらせ(背水の陣)、そして十隊の伏兵を左右に配置しましょう。(十面埋伏)
そうしたあと、袁紹を河岸まで誘導し、反撃すれば勝てるでしょう」
曹操「イイネ!」
その配置が終わったあと、一隊が袁紹軍に攻撃をしかけ、負けたふりをして撤退した。
袁紹軍は、それを追撃し、河岸までやって来た。
曹操「そうれ!われらの逃げ道はない!死に物狂いで戦うぞ~!!」
袁紹「なんじゃこの勢い!ひえっ、退却、退却じゃ~!!」
袁紹軍は退却を始めた。
袁紹軍が退却する先々で曹操軍の伏兵が襲いかかり、袁紹軍をコテンパンにうちのめした。
●
しかけて来た曹操軍一部隊に対し、袁紹軍全軍(!)で追撃をしかけ、そして押し返されて大敗北。
きれいに計を決められ、ヒドイ負け方をしてしまった袁紹は気絶して吐血。
もう、読んでるこっちが悲しくなる。
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十面埋伏 (ニ巻 209)
●計の説明
どこもかしこも伏兵だらけ
●計を立てた人
-
●計の対象
-
夏候惇が、劉備を攻めた。
趙雲が応戦し、わざと敗走して夏候惇を誘った。
韓浩(カンコウ)「これは誘い!伏兵あるんじゃね?」
夏候惇「ははん、十面埋伏でも怖くはない!いくぞー!」
のちに、夏候惇軍は諸葛亮の火計によって敗走した。
●
「十面埋伏の計」という計そのものというよりは、「どこもかしこも伏兵だらけ」という状態の表現として使われている模様。
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埋伏の計 (四巻 416)
●計の説明
伏兵をひそませておく計略
●計を立てた人
夏侯覇
●計の対象
徐質(ジョシツ)
姜維「やれやれ、魏を攻めたものの、司馬昭配下の徐質の勇猛さによって初戦で負けてしまった。
どうすればヤツを生け捕れるだろうか」
夏侯覇「負けたふりしたあとに、兵をひそませておくこと(埋伏の計)ッスね」
姜維「いや~、司馬昭はあの司馬懿の息子よ?
地形が複雑なのを見たら、追撃してこないでしょ。
むしろ、魏軍はいつもわれわれの補給路を断つ作戦を展開するので、これを逆手にとろう」
こうして姜維は陣を固め、持久戦するぞ、という意思を司馬昭に示した。
司馬昭は姜維の予想どおり、補給線を断つ作戦を展開し、その作戦を行った徐質は姜維軍に殺された。
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夏侯覇の埋伏の計は、姜維によって却下された。
敵将の知力を認識して、敵に狙い通りの行動をとらせた姜維はお見事。