狂人に刃物を持たせると危ない、と言われます。
「戦いに関する知恵」を運用するのにも、人間性というタガがなければヤバイことになるでしょう。
ということで、中国の古典「論語」を読みこんで、イラストを使ってまとめてみようと思います。
●参考文献は以下の4冊。(発行順)
完訳 論語 (井波律子)
それぞれの著者の名をとり、吉川本、加地本、井波本、と呼ぶことにします。
●どのエピソードをチョイスするのか
論語は孔子の発言集のようなもので、約500のエピソード(章)が20篇に分けられています。
そのうちいくつかをチョイスしようと思います。
チョイスの基準は、わたしのインスピレーションではありますが、とりあえず言語化しますと、「普遍性が高く、現在でも個人の生活に活用できるもの」という感じです。
●論語で使われている言葉の定義と表現について
・「君子」とは
孔子の目指した理想の人間像。
知識だけでなく、人間性(人徳)を身につけた者のこと。
加地本にならって「教養人」と表現することにする。
・「小人」とは
知識(専門的知識)だけを身につけている者のこと。
加地本にならって「知識人」と表現することにする。
ただし、場合によっては、一般的な解釈どおりに「品性下劣で卑しい小人物」と表現する。
・「仁」とは
誠実な思いやりや人間愛など、人間として行うべき道徳。
すべてのものに対する思いやりやいつくしみ、とも。
広い意味では、人道や人格、人間性のこと。
・「礼」とは、仁の具体的表現として、形にしたもの。
広い意味では、知識・文化・学問のこと。
●入門にオススメの本
4冊の本を参考文献にしましたが、論語入門として読むのであれば、井波本がオススメです。
なぜなら、篇分け、章分け、語句の意味の註などのレイアウトが見やすく、訳と解説も丁寧にやさしく書かれているからです。
値段は約3000円しますが、見やすくわかりやすいので論語を理解する時間の節約になり、けっして高くはないと思います。