権謀術数や帝王学の書と言われる中国古典の「韓非子」を、イラストを使ってまとめてみます。
韓非子入門(あるいは、それ以前の雰囲気を知りたい段階で)のお役に立てば幸いです。
●参考文献は以下
韓非子 全四冊(金谷治 訳注)
韓非子 上・下(町田三郎 訳注)
両書の訳を見比べていると、まったく同じ口語訳になっている箇所があるのですが、これは訳者のお二方が参考にされた口語訳の文献によるものではないかと考えられます。
専門家のお二方が共通してその口語訳を選択されているということは、誰が解釈してもその訳になる(その訳が理にかなう)ものであるとも思われますので、わたしもなるべくその口語訳を選択しております。
(とはいえ、それが過ぎて訳文丸パクリにならないように、わたしにとってわかりやすくなる工夫を入れつつ、できる限り表現や文章構成を変更しています)
●どのエピソードをチョイスするか
韓非子は全部で五十五篇ありますが、そのうち韓非子自身が著したと考えられている以下の六篇をチョイスしようと思います。
第十一篇 弧憤(こふん)
第四十九篇 五蠹(ごこ)
第五十篇 顕学(けんがく)
第十二篇 説難(ぜいなん)
第十三篇 和氏(かし)
第十四篇 姦劫弑臣(かんきょうししん(しいしん))
※秦王の政(のちの始皇帝)が読んで感激したのは、「弧憤」と「五蠹」。
この二篇から始めています。