大臣や側近は、愚か者や邪悪な者を従えて、「君主をだます」という大きな罪をおかし、自分たちの利益をはかり、果てには国に危機を招いて君主を苦しめる。
大臣や側近が「君主をだます」という大きな罪をおかしているのに、君主がそれを止めないのは君主の大きなミスで、そうしているなら国は滅ぶ。
●孤憤のまとめ
君主が臣下を統制し、君主の権力(賞罰の実権)を守らなければ、国は滅ぶ。
側近や大臣などの権力者は、その利害が君主とは反するため、君主をだまして自分の権力を強化しようとする。
そのために、権力者は君主におもねって印象を良くし、役人や学者、他国の諸侯を利用して君主を丸めこみ、愚か者や邪悪な者とぐるになって法律に反することをして、君主から権力を奪う。
君主の権力を守るには、「法律を守り、臣下をまとめて(統制して)君主の権力を守る、ホントに君主に忠実な人物」が必要だが、そういった人物は権力者ほど君主と親密でないうえ、君主にとって耳の痛いことも言うので、君主に遠ざけられる。
さらに、そういった人物は権力者の敵なので、権力者によって君主に目通りする機会は潰され、最悪、殺される。
これでは、君主の権力が権力者に奪われて、国が滅ぶ。
君主は、自分の権力が、自分にとって親密な権力者に奪われていることに気づかなければならない。
気づかないのは、とりかえしのつかないミスである。
そして、臣下の知能や行動は、権力者の意見ではなく、実際の功績によって評価しなければならない。
臣下の罪状は、権力者の意見ではなく、事実を集めた調査によって確定しなければならない。