戦い方の探索者

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韓非子

韓非子30 民衆のインセンティブについて

政府が富の再分配をするときには、民衆が仕事(ここでは国に必要な農業)に励んだり節約をするインセンティブ(やる気を引き出す刺激)を損なわないようにする。

韓非子29 君主が統治に学説を取り入れるさいの注意

君主は、愚か者や詐欺師による、統一されていない矛盾した学説や行動をすべて受け入れていては混乱する。 そんな状態では、統治法も混乱するだけである。(国を統治するための統治法は、統一された考えに貫かれている必要がある)

韓非子28 儒家や墨家は詐欺師

証拠もないのに断定するな。断定できないことを根拠にして議論するな。 それらをするのは愚か者や詐欺師である。気をつけろ。

韓非子27 国を乱す五種の害虫について

以下の5種の民衆は、国にとって害虫であるので除かねばならない。 政治に仁義をかかげて、法律に疑いを抱かせる学者(孔子や墨子の実践者) 国家の利益を考えずに、外国と結びついて私腹を肥やす弁論家 義理を重んじて法律を破る侠者 金で役職や地位を売って…

韓非子26 国の基盤(農業と軍事)を維持するには?

国の基盤である農業と軍事にたずさわる者が少なくなるのを防ぐために、商人や職人や遊び人をおさえつけてコントロールする必要がある。 そのためには、名声につながる「役職や地位」を金で買えないように、側近を統制する。 また、国の統制品の密売の増加や…

韓非子25 民衆の性質と公共の義務について

「国にとっては必要だが危険な役目(ここでは兵役)」を果たす者を、危険な状態だけではなく、苦しい状態にもおくのならば、そりゃその役目を行う義務から逃げるよ。権力者のもとにいると危険な戦場に出ずに済み、望みがかなえられて利益が得られるとなると、…

韓非子24 国が滅亡しないための術とは?

国の基盤が弱い状態のままで外交政策に頼るのではなく、まずは内政を強化して国の基盤となる力(農業生産力、軍事力)を高め、強国に「手を出したら損」と思わせるような態勢をつくる。 それが、国が滅びないための術である。 (その態勢あってこその外交、とい…

韓非子23 外交政策の進言について注意するべきこと

いま、臣下のなかで外交政策を説く弁論家は、その外交政策を利用して他国と結びつき、(外交政策の成否に関わらず)私的な利益を得ようとする。 そういった私的な利益のために他国と結びつく臣下は、公共(国と君主)を滅ぼす。 臣下にそのような行動を許さない…

韓非子22 国の基盤と外交政策について

「王者であるための基盤」が整っていない状態で、(自国外に勢力をもつ)弁論家によって唱えられた外交政策(「強大国に仕える策」と「弱小国同盟」)は、自国の安全を維持するものではない。 ※それぞれの政策のもくろみがうまく発揮されなかった場合のリスクに…

韓非子21 国の基盤を強化するには、どうすればいいのか?

農業と軍事を強化するシステムは、国の基盤である。 どうすればその基盤ができるのか? 農業の実績には富を約束し、軍事の実績には地位を約束する法律を定める。そして、それを唯一の教材にして、役人によって民衆に教え広めることである。 そうすれば、民衆…

韓非子20 君主が人の意見を聞くさいに注意すべきこと

言葉には実用の裏づけをとり、評判には実績の裏づけをとるようにする。 つまり、単なる「語り」には耳をかたむけず、農業や軍事などの実際の功績を立てた労力を称賛して、賞を与える。 そうすれば、弁論と高潔さだけの孔子の思想の実践者によって国が乱され…

韓非子19 君主が政治をするさいに、求めてはならないもの

君主は政治をするさい、「複雑で奥深い言葉(知)」や、「誠実な人物(賢)」を求めない。 「複雑で奥深い言葉」を使うと、法律が民衆に理解されず、「法律」が知られず守られない。 激レアな「誠実な人物」を求めると、政治システムに必要な役人の数を確保する…

韓非子18 君主が利益を与えている者と、実際に働く者について

君主が、ふだんから「実際の功績」のない儒者や侠客に利益を与え、「実際に働く者(農民、兵士、法律を守っている民衆)」の利益をないがしろにすると、「実際に働く者」はやる気を失って国が弱体化する。

韓非子17 民衆の個人の利益と公共の利益について

「孔子の仁愛思想、墨子の博愛思想」や「義侠心」を基準にした判断は、それぞれが個人の利益にはなるが、公共の利益を守るための法律には反する。 そうであるにもかかわらず、君主がそういった思想の学者や侠客を重んじるのであれば、国(公共)の繁栄を害する…

韓非子16 君主の態度と公共の利益について

君主が実際に誉めていることや非難していることと、恩賞や刑罰の与えられ方が異なっている状態。 これは、私的な行為(実際に誉めていることや非難していること)によって、法律(恩賞や刑罰の与えられ方)が破られることにつながる。 これでは、公共(=法律をも…

韓非子15 君主が民衆を統治するさいにするべきこと

できの悪い子供の教育には、愛情だけでは不十分で、厳しい刑罰がいる。同様に、そもそも民衆というものは、君主の愛情に対してはつけあがり、おどされると服従する。 このことをふまえ、君主は統治をするにあたり、恩賞をきっちりと与えるようにするとともに…

韓非子14 人を服従させるものは何か?

人間は、権力には服従するが、正義にはあまり従わない。さらに、正義を実行できる人間となると、孔子なみに希少である。そして、その正義の人の孔子でさえ、権力には服従する。 王となるにあたって必要なのは、誰もを服従させる権力であり、ほとんど実行でき…

韓非子13 仁愛の情では政治を行なえないのはなぜか?

愛があっても、その関係がうまくいくわけではない。つまり、仁愛によって国の統治(君主と臣下の関係)がうまくいくわけではない。 また、仁愛によって刑罰を行わないことを望むのは、政治ではない。政治を行うには、法律に基づいて権力を使い、きっちり刑罰を…

韓非子12 時代に応じて、今、何を競いあうか?

昔とは違い、今の時代(韓非のいた時代)は、仁義を尽くしても弁舌を尽くしても国は滅ぶ。 時代とともにする事は変わり、する事が変われば対策も変わる。 今の時代は、仁義や弁舌ではなく、気力を競いあうので、その競争に勝てるように国力の充実をはかるべし。

韓非子11 政治を行なううえで考えるべきこととは?

争いが起こるか起こらないかは、財貨の多い少ないによって決まるのであり、人間の性質の貴賤(仁徳のあるなし)は関係ない。 地位に対する人の反応は、その地位にともなう権力の大小によって決まるのであり、人間の性質の貴賤は関係ない。 なので、そういった…

韓非子10 なぜ人は争い、国は乱れるのか?

人間の数が少なく、資源に余裕があるときは争わなかったが、人間の数が増えて資源に余裕がなくなったら争うようになった。 つまり、資源不足が原因で争うので、争いに関連する信賞必罰を強化したとしても、争いは行われて国は乱れる。

韓非子9 昔に成功したやり方を、今、繰り返すことについて

昔に成功したやり方が、また成功すると考えてはならない。時代によって事情が異なるので、やり方も異なる。現代にあっては、現代の事情をよく考え、それに応じたやり方をしなければならない。 この章の中で挙げられている事例や比喩が適切かはともかく、昔に…

韓非子8 臣下の大罪と君主の過失

大臣や側近は、愚か者や邪悪な者を従えて、「君主をだます」という大きな罪をおかし、自分たちの利益をはかり、果てには国に危機を招いて君主を苦しめる。 大臣や側近が「君主をだます」という大きな罪をおかしているのに、君主がそれを止めないのは君主の大…

韓非子7 なぜ臣下である権力者は君主をだますのか?

大国で大臣の権力が強くなりすぎ、小国で側近が信用されすぎる理由の一つは、大臣や側近が「君主をだます」という大きな罪をおかすから。 なぜ君主をだますのか。それは、大臣や側近(いわゆる権力志向の臣下)の利益と君主の利益は反するという関係の中で、大…

韓非子6 小国における「権力者」とは?

小さい国では、大臣ではなく君主の側近が、君主から権力を奪い、君主の判断を誤らせる元凶となる。 臣下の知能や行動は、側近の意見ではなく、実際の功績によって評価しなければならない。臣下の罪状は、側近の意見ではなく、事実を集めた調査によって確定し…

韓非子5 国が滅びる理由

君主が臣下を統制できなければ(「臣下をまとめて君主の権力を守」らなければ)、国は滅ぶ。統制するためには、賞罰の実権を臣下に奪われてはならない。

韓非子

●ひとりの憤り(弧憤) 1 「法律を守り君主の権力を守る者」と「権力者」について 2 邪悪な権力者が自分を飾る手段とは? 3 「法律を守り君主の権力を守る者」の孤独さについて 4 君主の権力が衰える理由 5 国が滅びる理由 6 小国における「権力者」とは? 7…

韓非子4 君主の権力が衰える理由

「君主の権力を守る方法を知り、そして法律を実行する人物」は、権力者と対立するうえ、権力者にくらべて圧倒的に不利な立場にあるので、いずれ殺される。 逆に、法律に反して身内(権力者)に利益を流す者は、権力者によって重んじられ出世する。 君主は、証…

韓非子3 「法律を守り君主の権力を守る者」の孤独さについて

権力者は、君主におもねるがゆえに親密だが、「君主の権力を守る方法を知り、そして法律を実行する人物」は、君主と親密ではないどころか、君主の耳に痛いことも言う。そのため、君主に遠ざけられる。 さらに、君主のそばにいて君主から奪った権力をふるう権…

韓非子2 邪悪な権力者が自分を飾る手段とは?

邪悪な権力者は、君主から権力を奪って政治を操る。そして、その権力による決定権でもって、諸侯、役人、君主の側近、学者を思う通りに操って自分を飾り立て、さらに権力を強める。 君主は、その「飾り」によって判断をくもらされ、邪悪な権力者の本性や悪事…