石が何層にも積まれているピラミッドのように、異なる製品を市場の階層に応じて積み重ね、利益をあげるモデル。
〇その製品ピラミッドの中層(真ん中、つまり中価格帯の製品)で商売をしている場合について説明する。
・ピラミッドの最下層
最下層は低価格市場なので、低価格の製品を投入する。
なぜ最下層に製品を投入するのかというと...
低価格市場は、だれもが簡単に参入しやすい。
そんな低価格市場に新たに参入した企業に、現在の自社製品の低価格版(廉価版)を販売されると、自社の市場シェアを奪われる恐れがあるから。
また、低価格市場で優位を築いた企業は、その上層の中価格市場(ピラミッドの中層)へと進出してくることがある。
そうなると、自社にとって手強い競争相手となるので望ましくないから。
つまり、低価格市場を放っておくと、自社の中層市場が脅かされる。
それはまずいので、現在の市場を防衛するために、低価格市場(ピラミッドの最下層)に進出して支配するようにする。
この低価格市場での目的は、「市場の防衛」である。「利益を上げること」は目的としない。
市場の防衛、つまり、他社が自社の顧客(あるいは未来の自社の顧客)と関係を結ばないようにすることを目的とする。
(もちろん、自社の低価格製品を買った顧客が、その周辺の自社製品を買ったり、別の自社製品を買うことは期待できる)
・ピラミッドの最上層
高級品市場なので、高価格の製品を投入する。
高価格の製品は、高い利益を生み出す 。
〇製品ピラミッドは、異なる価格の製品の、単なる寄せ集めであってはならない。
製品の寄せ集めにならないために大事なことは、「顧客の特性」の把握である。
顧客の特性とは、「顧客が製品に求めているニーズやウォンツ」や、「製品に払うことができるお金」などのことである。
顧客を深く理解することで、その特性を把握し、特性によって構成されている複数の階層において、ビジネスの基盤を築く。
※そもそも、すべての市場がうまく上中下の階層に分けられるわけではないことには注意。
【提供価値】
製品ピラミッドのそれぞれの層で、顧客のニーズやウォンツが満たされる。
【企業がお金を得る手段】
主力となる層の製品、また、高価格(ピラミッド最上層)の製品。
【企業にもたらされる効果】
・低価格市場への進出による、市場の防衛(マネされにくくする)
・高価格市場への進出による、利益の創出
くわしくは……
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【事例】マテル社
※製品ピラミッドの階層ではなく、顧客のライフサイクル(人間が生まれてから死ぬまで。あるいは人間の成長)の階層に合わせて製品を提供していくのが、「顧客ライフサイクルマネジメント」というモデル