戦い方の探索者

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2023-10-03から1日間の記事一覧

【す】 少しきを

少しきを 足れりとも知れ 満ちぬれば月もほどなき 十六夜(いざよい)の空 【意味】少なくあっても充分であることを知りなさい。満ちてしまえば、月もほどなく十六夜の空のように欠けるのだから。 【解釈】月が満月になるのは十五夜。その翌日の十六夜になる…

【せ】 善(ぜ)に移り

善(ぜ)に移り あやまれるをば 改めよ義不義は生まれ つかぬものなり 【意味】善に移りなさい。過ちは改めるように。義や不義は、生まれつきのものではないのだから。 【解釈】道義的(人の正しい道にかなう)であるか道義的でないかは、生まれつきのもので…

【も】 もろもろの

もろもろの 国やところの 政道は人にまづよく 教え習はせ 【意味】さまざまな国や地方の法律は、人々にまず教え習わせなければならない。 【解釈】法律は、知られていなければ守られない。さらに、法律が人々に知られていない状態で罰則を適用すれば、その統…

【ひ】 ひとり身を

ひとり身を あはれとおもへ 物ごとに民にはゆるす 心あるべし 【意味】まず独り身の者を思いやるようにし、そして、何事であっても民に対しては思いやりいつくしむ心を持つようにする。 【解釈】老いて妻のない者、老いて夫のない者、老いて子のない者、幼く…

【ゑ(え)】 酔(ゑ)へる世を

酔(ゑ)へる世を さましもやらで 盃(さかづき)に無明(むみょう)の酒を かさぬるは憂し 【意味】酔っているような世の中を覚ましもせず、盃に迷いという酒を重ねるのはつらいことだ。 【解釈】乱れた世の中にあって、その乱れを治められないのに、さらに…

【し】 舌だにも

舌だにも 歯のこはきをば しるものを人は心の なからましやは 【意味】舌でさえ歯のかたいことを知っているのに、人が、人の心を知ることができないはずがない。 【解釈】舌が歯のかたさを知り、噛まれないようにしているのと同じように、人の心を知り、人を…

【み】 道にただ

道にただ 身をば捨てんと 思ひとれ必ず天の 助けあるべし 【意味】自分の進むべき道に、命を捨てる思いであたりなさい。必ず天の助けがあるから。 【解釈】自分の人生の目的に対して、命がけで取り組むこと。そうすれば、あなたが命がけで取り組んでいるから…

【め】 めぐりては

めぐりては 我が身にこそは つかへけれ先祖のまつり 忠孝(ちゅこう)の道 【意味】巡り巡って、自分に仕えることになるものだ。先祖を祭ったり、主君へ忠義を尽くしたり、親に孝行したりすることは。 【解釈】先祖の祭、主君への忠義、親孝行、これらをする…

【ゆ】 弓を得て

弓を得て 失ふことも 大将の心ひとつの 手をばはなれず 【意味】弓矢を得たり失ったりすることは、大将の心ひとつで決まるのであり、それ以外ではない。 【解釈】軍の武力の威勢を上げるのも、下げるのも、それは大将の心のみで決まる。 組織の士気や規律な…

【き】 聞くことも

聞くことも 又見ることも 心からみな迷ひなり みな悟りなり 【意味】聞くことも見ることも、受け取り手の心のあり方次第である。何事も、迷いになることもあれば、悟りになることもある。 【解釈】自分の心のあり方次第で、何かを見たり聞いたりしたさいの、…

【さ】 酒も水

酒も水 ながれも酒と なるぞかしただ情(なさけ)あれ 君が言(こと)の葉 【意味】飲む者の心次第で、酒も水になり、流れる水も酒になるものだ。主君は、情けのある言葉をかけるように。 【解釈】「昔々、ある王様が軍を率いて戦うさい、部下から酒を献上さ…

【あ】 あきらけき

あきらけき 目も呉竹(くれたけ)の この世より迷はばいかに 後(のち)のやみぢは 【意味】目にもはっきりとした、明らかなこの世で迷っているようでは、死後の闇路はどうなるのであろうか 【解釈】現世で迷っている(欲に流されている)ようでは、死んだ後…

【て】 敵となる

敵となる 人こそは わが師匠ぞと思ひかへして 身をもたしなめ 【意味】敵となる人こそ自分の師匠であると考えを変え、自分の行いについて気をつけなさい。 【解釈】敵を自分を育てる師匠のようにとらえることで、敵と対抗するうえで自分の行いに気をつけつつ…

【え】 回(え)向には

回(え)向には 我と人とを 隔つなよ看経(かんきん)はよし してもせずとも 【意味】死者のとむらいには、味方と敵を隔ててはならない。読経はしてもしなくてもよいが。 【解釈】死ねばノーサイド

【こ】 心こそ

心こそ 軍(いくさ)する身の 命なれそのふれば生き 揃はねば死す 【意味】心こそが、戦いをする者の命である。心がそろえば生き、心がそろわなければ死ぬ。 【解釈】集団が戦うさい、相互信頼に基づいて団結していなければ、勝利できない。

【ぶ】 無(ぶ)勢とて

無(ぶ)勢とて 敵を侮ることなかれ多勢(たぜい)をみても 恐るべからず 【意味】敵が少数だからといって、あなどってはならない。敵が多数だからといって、恐れてはならない。 【解釈】敵の数を知っても感情を揺らさず、淡々と撃破の方策を考え実施するべ…

【け】 賢(けん)不肖

賢(けん)不肖 用い捨つると いふ人も必ずならば 殊勝(しゅしょう)なるべし 【意味】賢者を用い、愚者を捨てる、と言う人も、必ずそれをできるのであれば、感心なことなのだが。 【解釈】「賢い人を用い、愚かな人を捨てる」というのは、言うのは簡単だが…

【ま】 万能(まんのう)も

万能(まんのう)も 一心とあり 事(つか)ふるに身ばし頼むな 思案堪忍 【意味】「万の才能を活かすのも、心一つ次第だ」と言われている。主君に仕えるならば、自分の才能を頼みとはせず、よく考えて忍耐しなさい。 【解釈】どれだけ多くの才能を持っていて…

【や】 やはらぐと

やはらぐと 怒(いか)るをいはば 弓と筆鳥にふたつの つばさとを知れ 【意味】和らぐのと怒るのは、いわば弓(武)と筆(文)のようなものである。鳥には左右二つの翼があるが、そのようなものであるとも知りなさい。 【解釈】やさしさと厳しさは、どちらか…

【く】 苦しくと

苦しくと 直(すく)道を行け 九曲折(つづらおり)の末はくらまの さかさまの世ぞ 【意味】苦しくとも正しい道を行きなさい。(鞍馬山の坂道のように)曲がりくねった道の行く先は、まっくらな逆さまの世の中なのだから。 【解釈】たとえ苦しくても、道義(…

【お】 思ほへず

思ほへず 違(たご)ふものなり 身の上の欲をはなれて 儀を守れひと 【意味】人間は思わず悪事をしてしまうことがある。そうならないため、利己的な欲からはなれて、信義を守りなさい。 【解釈】食欲、性欲、金銭欲、名誉欲、などなど、人間は自分の欲に流さ…

【の】 のがるまじ

のがるまじ 所をかねて 思ひきれ時に到りて 涼しかるべし 【意味】逃げることができない状況になったときの判断を、事前に心に決めておけ。そうすれば、実際に逃げることができない状況になったときに、すがすがしく判断できる。 【解釈】危機的なときに、心…

【ゐ】 亥(ゐ)にふして

亥(ゐ)にふして 寅には起くと ゆふ露の身を徒(いたづら)に あらせじがため 【意味】夜の十時に寝て朝の四時に起きるのは、露のように消えてしまうはかない人間の人生を、むなしく過ごさせないためである。 【解釈】就寝時間と起床時間は個人次第だが、つ…

【う】 憂(う)かりける

憂(う)かりける 今の身こそは 先の世とおもへばいまぞ 後(のち)の世ならん 【意味】今の自分のつらさが前世の報いであると思うのならば、今の人生のあり方がまた来世に報いるはず(なので、悪事に流れずに生きなさい)。 【解釈】仏教の輪廻転生(死後に…

【む】 昔より

昔より 道ならずしておごる身の天のせめにし あはざるはなし 【意味】昔から、道に外れておごる人間で天の責めを受けない者はいない 【解釈】道義から外れたふるまいをし、傲慢になると、いずれ自然な結果としてそのツケを支払うことになる。 傲慢になると、…

【ら】 楽も苦も

楽も苦も 時過ぎぬれば 跡もなし世に残る名を ただ思ふべし 【意味】楽しいことも、苦しいことも、時間が過ぎれば跡形も無くなる。そういった一時の感情にとらわれず、後世に残り続ける自分の名誉をよく考えなさい。 【解釈】人生で重大な判断をするさいなど…

【な】 名を今に

名を今に 残しおきける 人も人心も心 何かおとらん 【意味】その名を今の世にも残しているような(立派な)人も、自分と同じ人間であり、その心も同じである。どうして劣っているといえようか。 【解釈】歴史上の偉人も一人の人間。彼らにできたことが、どう…

【ね】 ねがはずは

ねがはずは 隔(へだ)てもあらじ いつわりの世にまことある 伊勢の神垣 【意味】ウソやいつわりの多い世の中であっても、誠実の神様である伊勢大神宮(天照大神)に願えば、分け隔てはなさらない。 【解釈】ウソの多い世の中であれ、誠実にやるべきことをや…

【つ】 つらしとて

つらしとて 恨みかへすな 我れ人に報ひ報ひて はてしなき世ぞ 【意味】つらいことをされたからといって、その恨みを返してはならない。報復の連鎖が果てしなく続くことになるぞ。 【解釈】報復の連鎖に陥るため、恨みは返さず自分にとどめておけ、というお話…

【そ】 そしるにも

そしるにも ふたつあるべし 大方は主人のために なるものと知れ 【意味】臣下の主人への非難には二種類あるが、そのほとんどは主人のためになることを知りなさい。 【解釈】二種類の非難とは、主人を諫めるもの(忠告)と、利己的や感情的な不平不満であるも…